ヘンデルのカンタータ  歌詞の意味を考える

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zoom RSS 「心地良くうれしいそよ風よ」

<<   作成日時 : 2012/05/13 15:18   >>

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早いもので、このブログをスタートしてから昨日でちょうど一年になりました。
アップした作品を数えて見ました。同じ歌詞でもHWVが異なればそれぞれ1作品とすると、43作品。やっと3分の1まできたところで、これからもまだまだ楽しめます。

さて、今回はソプラノのためのカンタータです。

心地良くうれしいそよ風よ(Aure soavi e liete)HWV84

伴奏は前回と同様、通奏低音のみで行われます、いわゆるコンティヌオ・カンタータですね。
オーケストラの伴奏のあるものや、ヴァイオリン、フルート、オーボエなどソロ楽器のオブリガートのついた作品は華やかな感じがして楽しいです。しかし、今回取り上げた作品のようなコンティヌオ・カンタータも地味ではありますが、魅力的なものです。じっくり聴くと心にしみてくるよさがあると思います。

作曲は1707年ローマでされています。作詞者は不明。
演奏時間は5分から5分30秒程度の短いものです。


歌詞の大意

<Recitativo>んんんんんんんんんんんんん<レチタティーヴォ>
Aure soavi e liete,んんんんんんんんんんんん心地良くうれしいそよ風よ、
ombre notturne e chete,んんんんんんんんん静かな夕闇よ、
voi dall'estivo ardoreんんんんんんんんんんん夏の熱気から
dolci ne difendete.んんんんんんんんんんんん息抜きさせてくれる。
Ma non trova il mio core,んんんんんんんんんだが恋の心の奥底はいつも熱く、
nel suo cocente ognor loco amoroso,んんん気持を休ませてくれるものが
chi lo difenda o chi gli dia riposo.んんんんんn見つからない。
Onde fra voi solingo,んんんんんんんんんんんそれゆえそよ風吹く夕闇にひとり立ち、
di parlar a coleiんんんんんんんんんんんんんn彼女に向かっているように話してみる、
che pur non m'ode,んんんんんんんんんんんn聞いてはもらえないのだけれど。
aure soavi ombre notturne io fingo.んんんん心地良いそよ風よ、夕闇よ。

<Aria>んんんんんんんんんんんんんんんん<アリア>
Care luci, che l'alba rendeteんんんんんんんn素敵な眼、それは夜明けがきたようだ、
quand'a me così belle appariteんんんんんんn美しくも私の前に現れたときは。
voi nel cor mille fiamme accendete,んんんんそれは心に無数の炎を点火するが
ma pietà dell'ardor non sentite.んんんんんん燃え上がった情熱を思いやってはくれない。

<Recitativo>んんんんんんんんんんんんん<レチタティーヴォ>
Pietà, Clori, pietàんんんんんんんんんんんんn思いやりを、クローリ、思いやりを、
se quell che pietà siaんんんんんんんんんんn君の心の中に
dentro al tuo cor si sa.んんんんんんんんんんそういうものがあるのなら。
Deh! Fa che l'alma miaんんんんんんんんんん頼む!その証拠を見せてくれ、
veda e conosca a prova,んんんんんんんんんn美しい心の中に
che la piatà nel tuo bel cor si trova.んんんん思いやりがあるという証拠を。

<Aria>んんんんんんんんんんんんんんんん<アリア>
Un'aura flebile,んんんんんんんんんんんんんn優しいそよ風よ、
un'ombra mobile,んんんんんんんんんんんんn束の間の暗がりよ、
sperar mi faんんんんんんんんんんんんんんんのぞみがほしい、
 che Clori amabile,んんんんんんんんんんんんn可愛いクローリの
 nell'alma nobileんんんんんんんんんんんんんn気高い心にも
 senta pietà.んんんんんんんんんんんんんんんn思いやりがあるのではというのぞみが。
Un'aura flebile・・・(DA CAPO)んんんんんんn優しいそよ風よ・・・(ダ・カーポ)


この作品の主人公は男性で、想う相手の女性に気持がうまく伝わらなく悩んでいます。
第1曲のレチタティーヴォで、彼女(まだここでは名前が出てきませんが、後で出ます、クローリちゃんです)に話も聞いてもらえないので、彼女に向かっていることを想像しながらひとりで話をして見る、というのです。
これって、少しネクラではないでしょうか。こういう性格では、一般的には女性にもてないですね。自分の性格を見つめ直した方がいいよ、と助言したくなります。

第2曲のアリアは、1、2行目が歌われたあと、少し曲調が変わって3、4行目へと進みます。その後また1行目へ戻ると思いきや、そのまま終ってしまいます。すなわちダ・カーポ・アリアではないのです。
最初の、素敵な「眼」と表現した「luci」は直訳すると「光」です。光が差してくるから夜明けになるのですが、単に「光」と表現してしまうと後が続きません。ここはやはり「彼女の眼」という意味にとらないといけないのでしょう。
夜明けをもたらすようなクローリの眼とはどんなにすばらしい眼なんでしょうか。黒い眼というよりむしろ明るいブルーやグリーンの眼を想像させますが、適当な絵画作品は見つかりません。
下の絵はスペインの画家ゴヤ(Francisco de GOYA Y LUCIENTES)の作品「The Milkmaid of Bordeaux」。
眼の色は黒いですが美しい。これなら夜明けも来そうです。
画像


第3曲のレチタティーヴォで初めて彼女の名前、クローリが出てきます。ここではそのクローリに向かって、「気持を思いやってくれ」とか「哀れんでくれ」みたいなことばかり言っています。
こんなことを言うと、普通女性は困って退いてしまい、相手を避けるものです。こういう初歩的なこともわかっていないとは。話になりませんね。わたしも匙を投げました。

第4曲のアリアはヘンデル好みというか、どこかで聴いたことあるおなじみの、という感じのメロディーとリズムです。転用とまでは明確に言えないのですが。
原語のフレービレ(flebile)、モービレ(mobile)、アマービレ(amabile)、ノービレ(nobile)と脚韻を踏んでいるのが耳に心地良く響きます。


参照したCD
1.イレーナ・トゥロポヴァ(ソプラノ)、ヤン・フライハイト(チェロ)、マティアス・ヴィルケ(チェンバロ)
 「HÄNDEL」MATOUS MK0013-2231(1993)

2.ステファニー・トゥルー(ソプラノ)、マルコ・ヴィターレ指揮コントラスト・アルモニコ
 「Handel Complete Cantatas Volume2」BRILLIANT 94000(2009)

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ブログ一周年、おめでとうございます!
ブログってぼちぼちのんびりやっていても、気がつくと結構な記事数になっていて、読み返すと自分で自分の書いてることに感心?したり(笑)、お役立ちメモになっていたりで面白いですよね。
これからも更新を楽しみにしています♪
参照CD一枚目のMATOUSって(海外盤たくさん持っている私も)全然知らないレーベルですが、ヘンデルのカンタータを聴くためなら、どんな細道にも分け入って音源集収!というすごい根性を感じます。
REIKO
URL
2012/05/13 21:12
REIKOさん
ありがとうございます。
なんとか続いているのも、いつも下さるコメントがはげみになっているからですね。感謝しております。

>MATOUS
チェコのレーベルですが、今でもあるのかどうか・・・。
このCDは「9曲のドイツ語アリア」がメインで、カンタータふたつ(このHWV84とHWV109b)がおまけのように付いていたのです。

>音源集収
そんな大したものではなく、カンタータのCDを見かけるたびにポツポツ購入していた程度です。ただ、このサイトを始めてからは、手持ちにないカンタータ作品が収録されているCDを見つけたら(数曲収録されているうちのひとつだけでも持っていなかったら)すぐに買い込んだりしています。
koh da saitama
2012/05/14 15:07
 一周年、おめでとうございます。
 この曲のはじめのアリアは、ブリリアント全集2巻のHWV170以外では、最も好きな曲です。タイトル通りの実に心地よい曲だと思います。
 でも、全体的な詞を初めて読ませていただきましたが、ほんとうにしつこいにもほどがありますね。やさしい女性の声で歌われてるのでまだいいですけど。
 それにしても、クローリちゃんも、どれだけもてるのでしょう。
 今後も楽しみにしています。とりあえずごあいさつだけ。
Nora
2012/05/22 16:41
Noraさん
ありがとうございます。おかげさまでなんとか1年もちました。

歌詞の意味を詳しく見て行くと、思いもよらないことがでてきて、えっ、こんな歌だったの、とびっくりすることがよくあります。でもそれがおもしろくて、次のはどんなだろうか、と興味が続くのですね。手持ちの資料があるかぎり、ぽつぽつとではあっても更新して行きたいと思っています。
koh da saitama
2012/05/23 15:03

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