ヘンデルのカンタータ  歌詞の意味を考える

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zoom RSS 「とんでもない運命のために」

<<   作成日時 : 2017/01/13 16:28   >>

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新年おめでとうございます。あっという間に2017年も10日以上が過ぎてしまいました。

この作品も音源がありません。
1707年にローマでルスポリ侯爵のために作曲されたということで、ソプラノ用のようです。


「とんでもない運命のために」(Se per fatal destino)HWV159


歌詞大意

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これは片想いの唄です。
名前は不詳の女性が主人公で、いっそのこと愛の告白をしようか、とも考えたものの、やはり黙ったままでいて、愛する人の姿を遠くから見ているだけでいいとすることにしましょ、といった感じですね。

愛の告白をして受け入れられるといいけれど、もし手厳しくはねつけられたりすると、恋はそこで完全に終わってしまいます。黙っていると、相手には伝わらなくて片想いといえども、恋は継続します。主人公はこちらを選んだわけです。

それでもそんなに簡単には悟ることもできなくて、空の星などにも愚痴をこぼさなければいられない状況でもあります。

ゴッホ作「Starry Night over the Rhône」1888
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こんな星たちに向かってブツブツ言ったに違いない。

ところで、この作品の主人公が名前もわからないのに女性だと判断できるのは、第3曲レチタティーヴォの1行目に「incauta」という言葉があるからです。本来は形容詞で「軽率な」とかの意味で、ここでは「軽率な人」、「馬鹿な人」くらいの感じで使われていると思われます。
「incauta」は女性形であり(男性形は「incauto」)、主人公が自分自身を指してそのように言っているので、本人は女性だな、と判明するのですね。
ちなみに英訳では「imprudent one」で、ジェンダーは判別不可能になっています。
こういう点は、英語よりイタリア語は便利ですね。日本語のように役割語があまり沢山ありすぎるのも―幼児語、若者語、女性語、老人語、政財界人語などなど―考えものなのですが。


この記事をもってコンティヌオ・カンタータの歌詞はすべて目をとおし終わったことになります。
残っているカンタータ作品はあとひとつだけ、大規模なセレナータ的作品といわれる「Echeggiate, festeggiate」HWV119 のみとなりました。
ただこれが難物で、完全なテキストが伝わっていないのです。不完全で、曲順も違っている、という評価のものがウェブ上にあるので、これを参照するしかありません。音源も抜粋のものしか手もとにないので、どうなることかわかりませんが、まあ、やるっきゃないか。



参考資料
書籍
1.Ellen T. Harris「Handel as Orpheus」HARVARD UNIV. PRESS(2001)

2.三澤寿喜「ヘンデル」音楽之友社(2007)






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